ヨーロッパ
- 欧州赤松
- ユーラシア大陸北部に広く分布している北洋材(北欧材でもある)。わが国が輸入するレッドパインの多くは北欧(スウェーデン・フィンランド・ポーランド)やロシアから大量に輸入されおり、北洋材(ロシア産)としては【カラマツ(唐松)】に次ぐ輸入量である。乾燥が容易く、乾燥作業後の安定のよさから材として多岐にわたり利用されている。木理は直通で、日本の【アカマツ(赤松)】によく似た木質である。レッドウッドと呼ばれる事があるが、北米材のレッドウッド【セコイア】とは全く違う材である。
- シカモア
- 優れた性能に恵まれ、様々な用途に適しており、家具スポーツ用品、およびターニング材としても広く使われる。一般的に直通な木目だが、中にはバーズアイ、フィドルバック、カーリーグレインといったようなユニークな紋様を持っているものもあり、その紋様を活かした特殊用途のために需要が大変高くなっている。
- ナラ
- 北海道~九州に分布し、主な産地として北海道が産の物が挙げられる。日本国産材。柾目には斑がみられ、その模様は虎の毛並みに似た様相から【虎斑(とらふ)】と呼ばれ、高級家具材などで用いられている。材は比重が重く、硬いという性質をもっているが、反面加工性に多少難易な部分でもあり、割裂しやすいので、釘打ちなどを施す場合、予備穴を開けておく必要がある。中国。モンゴルを中心として生息する【モンゴリナラ】の変種と考えられている。
- ニレ
- 北海道、本州と広いが、大部分は北海道に産する。また、樺太、千島、朝鮮、中国、シベリアなど広域に生育する。器具材、車両材、家具材、造作材、ベニヤ材、枕木など、他にも幅広く用いられる。樹高は、25~30メートルに達し、英語ではエルムという。一般に言うニレは、ニレ科の樹木の総称で、「ハルニレ」のほか「アキニレ」「オヒョウ」などがある。
- ブラックウォールナット
- チークやマホガニー等と肩を並べる高級材。多くの材が縞を持ち、濃淡非常に美しく、タンニンを含有しているため、年経により味わいが増す。北欧材随一の人気を誇る。狂いが少なく、粘りがある強い素材で、乾燥も容易い。加工性も極めて良く、多岐にわたる使用用途がそれを示している。が、反面、耐朽性に欠ける性質を持っており、水分が浸透してしまうと腐食しやすいという弱点も持っている。日本産材において【オニグルミ】がこの材と同類。フローリング等の床材・高級家具材・ドア材・造作材・内装パネル材・楽器材など多岐にわたる。
- カバ
- 北海道に自生する代表的な広葉樹。自生区域は広く、ヨーロッパ・北米・東アジアでもみられる。素材はおおむね強靭で表面仕上げも容易で良好。加工性についても程ほどによく、接着性がいい事から民芸品などでも多く用いられる。木材としても、フローリングなどの床材や羽目板など用途は多岐にわたり、時にベニヤ材は高級品とされている。木材業界では色目と木目を持っている事から「サクラ」という名目で扱われる事が多い。